おかげさまでDD4D BREWINGは、2023年5月30日に4周年を迎えます。そこで、私たちの掲げるビジョン”「誰もが、自分の道を進める世界」をつくる”をテーマに特集ページ『DD4Dみんなのチャレンジ』を公開しました!
DD4Dメンバーの挑戦やオフの姿などを知って頂くことで、クラフトビールを通じて一人でも多くの人の“一歩を踏み出すきっかけ”をつくることができればと私たちは考えています。
SHIGE
"DD4Dの「カッコいい!」をアシストしてきたデザイン担当"
DD4Dに関わり始めたきっかけは?
アパレルのDD4Dのオープン日に、たまたま通りかかったのがきっかけです。お店で出会った大人たちは本当にかっこよくて、当時高校生だった僕はよくお世話になりました。専門学校に通うため一時は愛媛を離れましたが、帰ってきてすぐに、お店の什器をデザインしたり、DMを作らせてもらったりと、その時からお仕事をいただいていたんです。店舗全体のデザインに関わらせてもらっていました。元々興味があったのはグラフィックではなくインテリアの世界。自分の部屋をどうカッコよくするか、ってことばかり考えていて。iMacっていう、それまでとは全然違うPCを部屋にオブジェとして置いてみたんです。そしたらPCに詳しい友達がグラフィックソフトの使い方を教えてくれて、それでデザインしたTシャツを作り始めた、というのが、僕のグラフィックワークの始まりです。当時は、DD4Dでも自作のTシャツを販売してもらっていました。その頃から、かっこいい雰囲気の部屋やかっこいい作品を作って満足して終わり、ではなくて、作ったものに対してリアクションをもらえた経験が、自分の核になっている。相手が喜んだり、驚いてくれたりする様子を見るのが好きでした。今思うと、当時駆け出しのデザイナーだった僕にお仕事をいただいた経験は本当にありがたかったですね。ケイタくんと最初に会ったのは、彼が大学生くらいの頃。その頃は、こうして一緒にお仕事をするなんて思っていなかった。アパレルとビール、親子2世代に渡ってお仕事をさせてもらっていることになりますね。
あなたのチャレンジを教えてください!
一つ一つの仕事に対して「オリジナル」をしっかり作り続けること、ですね。制作の時は、アイデアがふっと降りてくるというよりは、僕の中にある色んな情報、例えばビールなら缶の大きさなどのルールを前提にして、クライアントからの要望を組み込む。そこからオリジナリティを見つけ出して、形にしていく。情報の掛け合わせというか。自分の中で掛け合わせた計算をアウトプットし続けて、一回一回、小さなチャレンジを重ねていきたいと思っています。シンプルなことだけど、一番難しいところ、デザイン活動を続けていくために大切にしていることです。
かっこいいビールのラベル制作の裏側を教えてくれますか?
オリジナリティーとインパクトをテーマにデザインさせていただいてます。
クラフトビールファンの方々って、ジャケットも気にして選ぶ方が多いんだと、初めて知りました。そういった方々に、さまざまなクラフトビールデザインの中から速いスピードでしっかりと認識していただき、印象に残るヴィジュアルを目指しました。これまで20から30種類の缶ビールのデザインをさせてもらっていますが、僕、実はビール全然飲めないんですよ。でも、むしろ飲めないからこそ、飲む人よりも味のイメージを広げやすいんじゃないかと勝手に思っています。
特技っていうとあれなんですけど、シリーズものを作っていくのが得意で、着せ替え感覚でデザインさせていただいています。Don JalapeñoとEL MERO MEROとか。色パターンの組み合わせで兄弟かな?って思わせるような。ドットのパターンもそうですね。一番初めはLemon Bonbonだったかな。不揃いな白色の丸を並べているんですけど、よく見たらきっちり整列させていなくて、フランス菓子のレモンボンボンの素朴さや可愛らしさをイメージしています。それをHOME GROWNでは、色を変えて柑橘のモチーフにしたり、Have a nice tripでは、黒バックに浮かんでいる風船にも応用しています。なので、毎回苦労してというよりは、楽しくデザインさせていただいてます。
「クライアントの思い描くイメージをどう形にするか」を軸に考えると、必ずクライアントとのイメージのズレは生じます。そのチューニングやピント合わせがデザイナーの腕の見せ所かなと。センスとかそれ以前に。そもそも、グラフィックデザインに関しては独学で、誰かに教わったり授業を受けたことがありません。だから、自分の提案が受け入れてもらえなかったとしても、そんなに落ち込んだりせず、すぐ次の提案に切り替えられるのかも。いや、落ち込むんですけどね(笑) キズが浅いというか。絶対的すぎる自信はいらないというか。柔軟に目の前のクライアントに納得・感動してもらえるデザインを構築します。そうして初めて、その先に待つエンドユーザーの方々にも届くのではと思っています。
DD4Dの場合は、ラベル後ろのビールの説明を毎回ケイタくんからもらい、その情報をベースにデザインを仕上げていきます。ちょっと古いスタイルかもしれないけど、プレゼンの時はなるべくオフラインで、直接リアクションを知りたいです。「気に入ってくれたかな」とか「ちょっと違うかも」とか、相手の反応を実際に見ながら手応えを掴んでいきたい。それに、最初にヒアリングしただけではどうしてもズレてしまう部分を微妙に調節したい時も、直接話した方が擦り合わせできる。ケイタくんの場合は一発OKという場合も多いんですが(笑)。それは、毎回ケイタくんのわかりやすい素敵な文章力(わかりやすいデザイン原稿)にあると思っています。ちなみに、缶ビールのバーコードには醸造タンクのシルエットがついているんです。タンクに繋がっている配管みたいに、クラフトビールは原材料や食材を繋ぐだけじゃなく、ビール作りに関わる人も、そして飲む人たちのことも繋げている、というケイタくんの思いから、このシルエットになりました。DD4Dの高い商品力に対して、視覚的にアシストできることがあればと思います。特に気に入っているデザインは、Stone Hummerです。
DD4Dにいない時、オフの時は何をしてますか?
昔はたまの休みの日にも、全部デザインの情報吸収だと思って休みなく色んなことをしてました。最近は友達と一緒にバス釣りをしたり、植物好きな友人について行って植物のお店に行ったり、やっと休みらしい休みが取れています。子ども二人が小さい頃なんかは特に忙しかったから、本当に久しぶりですね。親子で、自転車で近場を色々と回ったりすることもあります。でも、山に行っても、バス釣りをしていても、この山の曲線、あの森の奥行きいいなとか、つい考えてしまいます。建築家って、さら地を見るとそこにどんな建物を立てるか空想してしまう、って聞きますけど、僕も結局そんなものかもしれません(笑)。だから釣れなくても楽しいっていう。あと、アウトドア好きな友達が釣りの合間にコーヒーを淹れてくれたり、朝食のカップラーメンを作ってくれたり、これがめちゃくちゃ美味しいんです!
お客様へのメッセージ!
SNSで「パケ買いしました」「デザイン可愛い!」と言ってもらえると、純粋にすごく嬉しくて、そういったものが制作の大きなパワーになっています。DD4Dファンの皆さんにお応えできるように自分のデザインを磨いていきたいし、ケイタくんと一緒に作ったものをリリースして、そのリアクションを次に反映する、そんな贅沢を繰り返していきたいです。皆さんからの声を自分の中に落としこんで、デザインとして新しく形にできることにいつも心から感謝しています。ありがとうございます。
砥部町出身。松山市内の広告代理店に在籍。高校卒業後、短期間ヨーロッパに滞在。フランスやドイツなど現地の建築やデザインに影響を受ける。大阪の専門学校でインテリアデザインを学び、卒業後は地元松山に戻り、フリーのデザイナーとして活動を始める。現在は空間デザインやパッケージ、CM、刊行物、イベントなどのデザインまで幅広いジャンルのクリエイティブディレクターをつとめるかたわら、DD4Dでは缶ビールのラベルを手がけている。新しいデザインは直接見てもらって、リアルな反応を知りたい!というシゲさん。小さなアタッシュケースを片手に、千舟店を訪れている姿を見つけたら、山之内さんと一緒にワクワクする新作を企んでいるサインかも。
Instagram @shigenori__nakamura